ドローンを用いた ソリューション時代の幕開け

巨大インフラプロジェクト、農業、鉱業に運輸。多数の業界にてドローンの利用が急増している。通信業界はドローンを早くから利用している業界の一つであり、ドローン技術から最大級のメリットを享受できると考えられている。なぜだろうか。

世界各国の通信会社に共通のことだが、ドローンを活用することで業務の効率化を図るとともに、インフラの保守点検、ドローンによって取得したデータの保存管理、ドローン交通管制センター設立など、ドローンを利用したサービスを提供する広範な新規事業への進出も視野に入るからである。
通信企業の現有設備や事業分野をもってすれば、こうした新規分野の多くで事業化が可能な大変有利な状況にあるのみならず、あらゆる産業においてドローンの利用が業務の本流となる
ように進歩を促すこともできる。その対価は巨額に上ると思われる。

PwCでは、ドローンを用いたソリューションの市場規模を1,270億米ドル以上と考えており、現時点で正しい投資決定を行うならば、通信会社はこの巨大な市場の相当部分を長年にわたって確保することができるだろう。

【日本企業に向けて】

最新のテクノロジーを活用したビジネスモデルの変革は、各企業がグローバルでの競争を勝ち抜く上で取り組むべき重要なテーマである。中でもドローンは、社会に重要なインパクトをもたらす技術の一つであり、農業から映画製作までさまざまな分野での活用が期待されている。

とりわけ通信企業は、ドローン技術と現有設備や事業分野との親和性が高く、ドローンを用いたインフラの保守点検、ドローンによって取得したデータの保存管理、ドローン交通管制センター設立など、ドローンを活用したさまざまな事業の創出を行える可能性があり、大変有利な立場にあるといえる。本レポートでは、通信企業がドローンを用いて新たな収益源をどのように創出できるかについて事例を用いて示すとともに、ドローンを活用した新事業を成功させるための要因および取り組むべき問題点を解説する。

変貌する通信業界環境

世界の通信業界は変化の荒波のただ中にあり、PwCのStrategy&の直近の調査によれば、近年、変化はますますそのスピードを増している。

歴史的に見ると、今日の通信業界は、主に三つの波に乗って発展、成長してきた。第一の波は音声通信であり、第二の波はメッセージ通信、第三の波はデータ通信である。
このうち、第一の波と第二の波から誕生した旧来のサービス、すなわち音声通信とメッセージ通信は、インターネットサービス企業に取って代わられつつあり、メッセージ通信ではすでに市場の80%以上を占めている。

その影響を受けて、通信業界にはコモディティ化の圧力がますます強くかかっており、ユーザー1人当たりの平均収入は、営業地域にもよるが、年率1%~10%の割合で減少していることがPwCのStrategy&の調査によって判明している。

本稿は、PwCのドローン・パワード・ソリューションチームによるソートリーダーシップレポート第三号である。 第一号は「Clarity from Above」と題したレポートで2016年5月に発行され、ドローン技術の商業利用全般を検討している。 第二号は2017年1月の発行で、交通インフラにおけるドローン利用に関するものであり、特定の業界に関する補完レポートであった。「Clarity fromAbove」レポートでは、ドローンの市場規模を全体で1,270億米ドル以上と見積もっている。これは特定の産業において提供されうるドローンを利用したソリューションやサービスを全て含めた商業的価値の合計である。

しかし、通信会社が直面する問題は、音声サービスやメッセージサービスのコモディティ化による価格圧力にとどまらない。
第三の波によるソリューション、すなわちデータ通信も、総収入がせいぜい横ばいという状況下において、能力の強化がますます求められることから巨額の設備投資が必要となり、使用総資本利益率の低迷という問題が生じている。

投資増と収益低迷による減益圧力に有効に対処するために、通信会社は三つのステップを踏む必要がある。

  • 業務の合理化、更新によるコスト引き下げとマージン確保。
  • 業務の中核であるコネクティビティ業務を再定義し、差別化を行ってプレミアム価格を可能とする。
  • デジタル、IoTの垂直統合など、上流業務や隣接業務に進出する。

ドローンが通信会社の将来収益・コスト戦略を可能にする

ドローン技術は、通信会社によるこの三つのステップそれぞれの解決に重要な役割を担いうるものである。
例えば、業務の合理化、設備更新に関しては、ドローンを用いてネットワーク工事や保守管理プロセスの迅速化を図ることで効果効率の改善が可能であろう。

中核業務であるコネクティビティ業務を再定義して価格維持をするためには、Cat.M1やブロードバンドのコネクティビティを提供することでドローンを利用したソリューションの推進・管理へ進出することができるだろう。
デジタル・IoT関連新規事業への進出を考えている通信会社には、多くの上流・隣接市場において新種のソリューションの開発・提供にドローンが重要な役割を果たすであろう。

ドローンを用いたソリューションの潜在的市場規模

PwCのドローン・パワード・ソリューションチームは、その調査において、ドローンを用いたソリューションの下記四分野における潜在的市場規模を以下のように推定している。

1. ドローンを用いたソリューションの総市場規模 1,273億米ドル
インフラ 452億米ドル
農業 324億米ドル
運輸 130億米ドル
セキュリティ 105億米ドル
メディアおよびエンタテイメント 88億米ドル
保険 68億米ドル
通信
(インフラ、維持管理、在庫管理、計画立案)
63億米ドル
鉱業 43億米ドル
2. ドローン運航管理システム 187億米ドル
3. データ転送 35億米ドル
4. データ保管 10億米ドル

通信会社が直面している問題の多くは新技術の影響によるものであるが、ドローンの応用やドローンによって可能となるサービスは、新技術を業界の問題点から成長要因へと転換させる一大チャンスであろう。
新技術とその収束効果によって、通信会社には新たな道が生まれる。従来の事業からの収益は低迷するものの、新技術を応用することで通信会社には新たな収益源が誕生し、再度、成長軌道に乗ることもできるだろう。

以下、この新たな収益源を詳細に検討していきたい。

通信会社にとってのドローン関連ビジネス機会

収入源1:ドローンを用いたサービスを他の通信会社に提供する

ドローン技術を商業的に利用したサービスは市場が活況を呈しており、通信各社はドローンを用いたソリューションによる世界的大革新の潮流を後押ししている。通信インフラの迅速かつ安全
な点検にドローンの利用が増えつつあるが、ここにも商業利用で考えうるソリューションがある。
リアルタイムで正確かつ実際の地形を反映した3Dモデリングデータがあれば、基地局の備品管理や維持補修に革命をもたらし、投資計画策定やネットワーク最適化にも有用である。
さらに、こうしたデータはインテリジェントなドローンを用いたソリューションで安価に取得、分析することが可能である。
また、機械学習などのエマージングテクノロジーと組み合わせることができれば、そのメリットはさらに増加するだろう。

このようにドローンを用いたソリューションでまず自明な作業は、通信会社の内部コスト削減である。
石油・ガスや配電など、屋外にインフラを多く所有する企業の常であるが、ドローンを用いれば、通信会社も維持補修作業を迅速かつ効率的に行うことが可能となろう。

しかし、こうしたサービスは、他業種の企業や同業他社など社外に販売すれば収益源ともなりうる。すでにドローンを用い始めている通信会社もあり、ドローン関連サービスを他の通信会社に販売し、収益増を図ることを検討している。

これを実現するために、通信設備運用企業は、必要な技術を社内で開発するか、あるいはドローンサービスで定評のある企業を買収するなどの選択肢がある。
PwCは、通信業界でドローンソリューションを採用した場合の最大市場は保守管理向けであり、ほぼ60億米ドルに達すると考えている。

通信業界の備品管理とネットワーク計画策定向けドローンサービスの市場価値は、合計で4億米ドル程度となるであろう。

「ドローンは通信会社の電波塔領域で大きな役割を果たすことができます。
ドローンから得られるデータを用いれば、電波塔の備品管理や保守管理に、迅速かつ安全な点検を行えます。
このようなソリューションは世界各国で多数の企業がその有効性を確認済みです。
ドローンで取得するデータは、投資計画策定の効率を高め、ネットワーク最適化プロセスのサポートにも使えます」

– Jad Hajj, Partner at Strategy&, part of the PwC network

ドローンによる保守管理

通信業界におけるドローン技術の主たる利用目的は、通信会社のインフラの備品管理と維持補修のためのモニタリングである。
サービスを途切れることなく提供するために、電波塔は定期的な点検が必要であり、正確な空間イメージ取得が可能なドローンは、点検プロセスを迅速化し改善するために格好のツールである。

通信業界のインフラ関連で、ドローンはまず予防点検のサポート目的で使われ始めた。
このソリューションは大手通信インフラ運用会社数社が検証を終えて採用しており、タワー構造やアンテナが安全かつ効率的に点検可能となっている。

従来の点検プロセスでは、通信会社のフィールドエンジニアがタワーに赴き、これに登ってどのような作業が必要かを判断し、タワーから下りてスペアパーツや工具を持って再度タワーに登り、修繕を行うという手順が必要であった。

安全性と効率の改善

ドローンを用いれば、このプロセスは大部分が不要となり、標準装備にドローンを加えるだけで、フィールドエンジニアの作業は安全性が劇的に高まり、効率も大幅に改善される。
エンジニアはドローンから送られてくるリアルタイムのビデオを用いて必要な作業を予備評価し、電波塔の状態を確認する。そして必要な器具・ツールを全て持って電波塔に登ることができるため、スタジアムなどアンテナが多数設置されているイベント会場やタワーからの転落事故や感電事故のリスクが大幅に低下する。

多くの場合、ドローンを用いれば作業スピードや作業効率が従来の点検プロセスの数倍となり、電波塔に登る回数が減れば、作業員が負傷するリスクも比例して減ることになる。

年次運用・安全点検の最適化

通信設備の維持補修において、ドローンのメリットは空中からのイメージ取得やビデオ撮影にとどまらない。
写真測量法(平面写真から3Dモデルを作成するファイル)やレーザー光による検知と測距(レーザーセンサーを用いた測定法、LiDAR)を用い、電波塔の写真を数千枚も処理することで、地図測量法に則し、非常に正確な3Dモデルや正射写真地図(複数の写真をつなぎ合わせて測距可能で地理的に正しい配置のもの)を得ることができる。

技術を駆使して得られた図をCAD*と統合すれば、遠隔地から最終分析を行うことも可能となる。基地局は毎年目視による点検を行い、その状態が運用や保守管理要員の安全に問題がないと確
認することを考えると、この機能は大変貴重である。
こうした要件を満たすべく、非常に正確な3Dモデルでは、各基地局やその機器の状態を非常に正確に表示し、各アンテナの取り付け高さ、傾斜や方位角、電波塔自体の垂直偏差など、正確な測定値を得ることができる。

この技術は、電波塔にアンテナを新たに取り付ける場合にも、準備段階で取り付け金具などの部品の正確なサイズを知ることができるなど、大変有用である。さらに、ドローンで取得した高解
像度写真を用いれば、タワーの土台やアンカー、構造、アンテナや伝送線、さらにはフェンスや道路、セキュリティなど敷地を取り巻く環境に至るまで、技術的状態を評価することが可能である。

つまり、構造損傷、接触不良、腐食、汚染など、誤動作や欠陥は、遠隔地で発見、分析し、その後現地で対処することが可能になるのである。

鳥類保護法令順守

電波塔上、あるいは電波塔近辺に鳥が営巣した場合、ドローンを用いてこれを検知することが可能であるが、これも保守管理の効率性向上のもう一つの例である。
基地局タワーは通常、木の梢よりも高い位置にあり、アンテナが営巣に格好の構造物であることから、タワー上に好んで営巣する鳥類が多い。
渡り鳥や絶滅危惧種の鳥の営巣を妨げる行為を禁止している国も多く、鳥や環境には優しいものの、運用中のタワーに営巣されると、通信会社には非常に不便なこととなる。

ドローンを用いれば、鳥が営巣している場合であっても、これを妨げることなく電波塔の頂上部を点検することができ、巣の有無や電波塔上の機器の状態を観察することができる。従来の、鳥類専門家が双眼鏡で観察するという手法に比べると、効率性や正確性がはるかに改善され、所要時間も数日単位から数分単位へと短縮され、鳥類やその巣を保護しつつ、通信会社作業員の安全も確保することができる。

緊急時には迅速かつ安全な対応が可能に

電波塔の点検など、ドローン技術は定型作業にも大変有用であるが、緊急時に到達困難な場所で技術者の安全を確保しつつコネクティビティを復旧させるなど、迅速かつ綿密な管理下での対応
が求められる場合にこそ、ドローンはその真価を発揮する。ドローンは、ハリケーンや暴風雨などの自然災害後、ネットワークを点検し、コネクティビティを復旧させるための完璧なソリューションを提供する。

実際、ドローンはすでに大洪水の影響を受けた基地局の点検に投入されている。
こうしたドローンは機器に損傷のある場合はその情報を取得し、数時間単位での基地局復旧を可能にしている。

さらに、通信会社のドローン利用で潜在性の高いサービスの例に、自動化が進む点検プロセスのサポートがあげられる。
通信業界のドローン技術応用で大変革をもたらす可能性のある技術はいくつもあるが、そのトップには機械学習があげられる。
演算能力の急向上と小型化の進行により、高性能で自律的、かつ学習能力を有する新世代のマシンを構築することができるクレジットカード大のプロセッサが入手可能となっており、持ち運んで分析作業を実行させることができる。

ごく近い未来、ドローンが人の介入なしに基地局タワーの点検を実行し、リアルタイムの分析レポートを作成し、スペアパーツの運搬や、さらには小規模の修繕作業まで自律的に実行するようになる可能性は高いであろう。

備品管理向けドローン利用

写真測量法と画像データ分析システムを備えたドローンは、基地局タワーの保守点検に有用であるが、同様に、通信会社や電波塔運営会社には基地局の備品管理に用いることができる。
過去20年間、通信会社のインフラ所有形態は世界的に発展し、さまざまな電波塔所有形態、運用構造が開発されてきた。とはいえ、所有モデルにかかわらず、全市場参加者に共通の課題は、電波塔に設置した装置の追跡である。

こうした作業には、高解像度カメラを取り付けたドローンが最適である。
アンテナやその他の無線機器のバーコードやシリアルナンバーを読み取るのみならず、電波塔の3Dモデルを作成して遠隔地からアンテナの取り付け位置や無線の通信可能範囲を分析するなど、タワーのスペース管理改善に役立つ。
また、こうした情報からは、使用料請求や使用契約向けに、実稼働スペース利用状況を把握することもできる。

さらに、ドローンを用いて収集した画像データは全て写真測量法で処理してデンシファイド・ポイント・クラウドや3Dモデルなどの地理空間出力を生成、CADデータと統合して詳細な分析を
行うこともできる。
通信会社は所与の電波塔のアンテナや送信機の詳細な寸法や傾きなど、高品質な情報を入手でき、これは大きなメリットである。また、データは全てクラウド上に保存可能であり、通信会社のデジタル資産管理や情報システムを最も効率よく運用することが可能となる。

ドローンは、電波塔の売買に要するコストや時間の削減にも有用である。
電波塔の所有形態は世界的に発展しており、エマージング市場ではその発展に弾みがついている中、多数の電波塔が売買されており、迅速で信頼性の高いネットワーク資産管理方法が求められている。
ドローンを用いればこのプロセスを大幅に改善することができ、取得したデータは、通信会社のネットワーク資産管理システムに組み込んで戦略的なネットワーク計画策定、設計、建設、サービス保証などに用いることができる。

ドローンを用いたネットワーク計画策定・最適化

近年、ドローンの積載量が増加し、センサー類の小型化も進んでいるが、こうした技術進歩のおかげで、ネットワーク計画策定・最適化の分野で新たな応用の可能性が見えてきた。
一例として比較的実装が容易なものに無線電波塔間のLoS(Line-of-Sight)テストがあり、これは樹木や建造物などの障害物の検知に用いられている。LoSテストの結果を用いれば、樹木の影響を受ける特定の周波数を使わない、アンテナを適切な高さに設定する、さらには基地局の所在地を変更するなどの適切な対応を取ることができる。

より進んだ応用例では、ドローンにアンテナからの信号を検知するセンサーを搭載する。
これにより、技師は自動的にアンテナからの信号の受信可能エリアを測定し、電波放射パターンをマッピングすることができる。

この機能は、スタジアムなど特に巨大なイベント会場のマッピングに重要である。スポーツイベント中などは、全ての観客に完璧なユーザー体験を提供することが必要であるが、これには各座席の通信状況、アップロード/ダウンロードスピード、待ち時間などの分析を行う必要があり、ドローンが活用できる。
ドローンは干渉波を検知できる場合も多く、発信元までたどることができる。

従来の分析方法では、多数の技師が計器をバックパックに入れてスタジアムを歩き回るといったプロセスが用いられていたが、ドローンを用いれば、この作業時間は大幅に削減され、プロセスの単純化が可能となり、場合によっては従来1週間かかっていた作業が、わずか数時間で完了することも考えられる。

図1:ドローン技術で改善されたLoSテストプロセス

  1. ドローンを操作して、アンテナタワーに取り付けられた機器を特定する
  2. 通信インフラに設置された機器
  3. 無線/インターネット信号
  4. アンテナタワー周辺の地図作成
  5. 障害物によりアンテナタワーと受信者間のコネクティビティが損なわれる
  6. 信号受信者

ネットワークの輻輳対策

自然災害や巨大イベントなどで需要増を満たすのに十分なネットワークが確保できないために輻輳が発生した場合、ドローンは大変貴重である。
こうした場合にネットワークのパフォーマンスを向上させてデータ転送を増加させるか、あるいは緊急通話を復旧させるために、通信会社は可動型通信タワー(Cell on Wheels、COW)を出動させることがある。

これはトラックに移動通信タワーを載せたもので、特定の地域を対象に、カバレッジ(受信可能範囲)の増強を図るものである。ドローンは堅牢性が向上してきており、こうした用途で使用することが可能となってきた。すでに実地検証も完了している。

ドローンは、トラック搭載の移動通信に比べ、多くの利点がある。
まず、ドローン搭載 COWは伝統的なCOWに比べ小型であり、配備が容易であり、柔軟性に優れている。

このため、特に緊急時や不測の障害などの場合に有用である。さらに、ドローン搭載COWは、移動通信タワー(通常、高さは100メートル以内)よりも高所でホバリングできることから、従来のトラック搭載COWよりもカバレッジが広い。
こうしたドローンは、その役割に鑑み、係留型にするのが良いであろう。

電力やコネクティビティを供給する電線やケーブルで基地局に接続されたドローンが該当する。
こうした堅牢なドローンは、ホバリング可能時間の制約がほとんどなく、物理的に接続されていることから高速データ転送が可能であり、強風や濃煙など、悪条件下でも操作可能である。

収入源2:複数の産業にドローン運航管理システムやソリューションを提供する

ドローンは、通信業界内で収入源となり、あるいは経費削減の機会を提供するのみならず、さまざまな産業において異なったレベルのサービスレイヤーで通信会社に広範な収入源をもたらす可能性がある。

インフラサービス収入

ドローンによるコネクティビティ、データ転送サービス

ドローンはさまざまな産業において広範な作業に用いることができる多用途プラットフォームである。
こうした作業の多くは、石油掘削施設点検の LiDARデータセットから緊急捜索・救援活動の高解像度ライブ配信ビデオまで、さまざまな種類の画像取得に関連するものである。
ドローンはこうした作業に最適のツールであるが、作業中、相当量のデータが生成される。例えば、標準的な高解像度カメラを搭載したマルチロータードローンで点検を一回実施した場合、生成されるデータは平均して50ギガバイトに達する。

また、長時間飛行できる固定羽根ドローンを使用した場合や、LiDARなどのセンサーを搭載した場合、生成されるデータはこの数倍になる。
データは、リアルタイムでの詳細な状況を把握するために、また最新の情報に基づいて迅速な対応を取るために、直ちに運航センターへ転送しなければならない場合も多い。

ドローン開発業が発展、成長を続けるにつれ、ドローンからの情報取得に適した大容量データ転送サービスが通信会社にとって大きな収入源になるであろう。
信頼性が高く持続可能なデータ転送サービスを確立、維持できれば、これは企業などでデータと業務を統合するために必須な機能であり、ドローンを用いたソリューション市場の発展を可能にする重要な要素である。
PwCの分析によれば、ドローン産業向けデータ転送ソリューションによる通信会社の新規収入は25億米ドルに達する可能性がある。

同時に、通信会社は世界的に拡大中のレクリエーション用ドローン市場の発展からも大きなメリットを得られるだろう。
ドローンをSNS上で人気のライブストリーミングと組み合わせれば、通信会社のデータ転送サービス収入は10億米ドル近く増える可能性がある。

ドローンからのデータのクラウド保存サービス

ドローンのデータ管理プロセスでもう一つの重要な要素がデータの保存である。
画像データや規制上、あるいは運用上必要であるために生成された分析用出力は、ステークホルダーが容易にアクセスできるように保存する必要がある。

一方、鉱業におけるモデリングプロセスや建設業、インフラ運営におけるビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)用のデータは、セキュアなクラウド上にアクセス可能な形で保存する必要があり、その期間は数十年に達する場合もある。

近い将来、広範な産業でドローンソリューションが急速に普及、利用されるようになることを考えれば、データ保存に対する需要が増加し、通信会社にとって逃すことのできないビジネス機会となることが考えられる。
PwCではドローン関連のデータ保存サービスからの収入は10億米ドルに達する可能性もあると考えている。

プラットフォームサービスからの収入

ドローン交通管制センター

ドローン関連の収入源として可能性が高く、通信会社の成長源となりうるものに、ドローン運航の安全・セキュリティ対策がある。
ドローンは有人航空機と同一空間に共存するが、現行の交通管制システムは低空を飛行するドローンの管理には不十分である。

連邦航空局によれば、米国で2015年以降4にドローンを登録したドローンユーザーは82万人を超えており、運用されているドローンの数は急速に増加している。
このため、世界各国の航空局は、有人航空機の安全を確保すべく、低空を飛行するドローンを効率的に管理できるシステムを求めている。
大規模通信ネットワークを運営する通信会社は、空中を往来するドローンを監視するドローン交通管制センターを展開するために必要なインフラを所有しており、ドローン技術採用に伴う大きなリスクの一部を大幅に軽減することができる。

ドローンの運航で人間や有人航空機、第三者の資産の安全が損なわれてはならないが、これはドローン技術を開花させる環境を構築するために解決すべき大きな問題である。
これがドローン交通管制センターで解消されれば、通信会社の収益源となる。

ドローン技術は無責任なユーザーの手に渡ると危険であると見なされる。
このため世界各国で他人に危害を加える恐れのある行為や不法行為を防止するメカニズムの開発に多大な努力が払われている。

発展を続けるドローンエコシステムのさまざまな参加者の中で、この問題に真っ先に取り組み始めたグループにドローン生産者があり、ジオフェンスなどの技術を実装してドローンが空港や軍事施設など所定の場所へ接近することを防止した。
しかし、こうした技術では、ドローン技術の無責任な使用を完全に防止することはできず、また、無責任な使用に対して罰則を科すこともできない。
そして、この問題は、航空安全に責任を有する当局や業界団体が間もなく解決する見込みである。
通信インフラの運営者は、先端技術を扱う能力を有しており、当局や業界団体がドローン交通管制システムを展開する支援を行うために理想的な立ち位置にあるといえるだろう。

完全に機能するドローン交通管制センターは、特定の空域で運航されている全ドローンを識別し、追跡することができる。
最も先進的で効果的にこれを達成する方法は、ドローンとLoRaWAN5やLTE-M6といったIoTグレード環境上に構築されたゲートウェイ間の双方向通信を用いる方法であり、いずれの技術も、先進の通信インフラ運営会社にとってなじみ深いものである。

つまり、すでにLoRaWANまたはLTEグレードのプロトコルを業務上実装済みの通信会社はドローン交通管制センターの展開で中心的な役割を果たすことができる有利な状況にある。
通信タワー上のLoRaWANゲートウェイなど既存のインフラに新たな機器を実装し、あるいはインフラを調整してLTEプロトコルのM2M(Machine to Machine) 版であるLTE-Mをサポートすることで、通信会社は既存の資産や技術力を活用し、ドローン交通管制センターなど広範な新規サービスを提供することができる。

ドローン運航が人や有人航空機の安全やセキュリティを損なわないように管理するドローン管制センターの機能を考えれば、各国の政府や民間航空局がその展開に高い関心を寄せていること
もうなずける。
通信インフラ運営会社は当局のドローン管制センター開発・設立を支援し、その運営を担当することで手数料収入を得ることができるだろう。
そして、これは相当大きな収入源になると思われる。

PwCは、ドローン交通管制センターの市場規模が世界で187億米ドルに達する可能性があり、その新規収入の大半がセンターの展開に関するものであると予測している。
こうした収入は、通信会社のインフラ拡充、機能向上の投資に振り向けることもできるだろう。
既存の資産や技術を有効利用することで、通信会社はその競争力を強化することもできるのである。

データ分析とAIを活用して予測検知を提供、自律機能をサポートする

もう一つ、潜在的に可能性が高い分野に、先進のデータ分析と人工知能(AI)を用いて予測検知を実現し、進歩を続ける自動化・自律化をサポートするサービスがあげられる。
前節では、こうした技術が通信タワーの自動点検実施に革命的変革をもたらしうる旨を記述している。

しかし、この応用分野はこれにとどまらない。
どのような産業であれ、機械学習が導入できれば、複雑な作業の実施方法を自ら学習するAIアルゴリズムを用い、類似のソリューションをコンピューターに提供するだけで、コンピューターが問題を解決する。明示的にプログラムを組む必要もない。
さまざまな学習を行ったAIアルゴリズムは、リアルタイムの写真やビデオストリームなどのデータに基づき、非常に正確な予測を行うことが可能であり、人間や機械による意思決定の質や適時性を大きく向上させるであろう。
ドローンを用いれば、これに必要なデータを迅速、容易、安全に取得、分析することができる。

ドローン技術の採用が増加しているが、この関連で通信会社の収入源になりうるものに、自律性のサポートがある。
自律的に任務を遂行することのできるドローンは、ドローン業界の最終目標であり、将来の「第四の産業革命」を引き起こすカギである。
こうしたドローンに自律的に任務を遂行させ、取得したデータをリアルタイムで送信させるために、現行のWi-Fiや無線通信規格は不十分であり、現在、視野に入っている中でこれを解決できる唯一のソリューションは高速無線通信である。

通信会社は4Gネットワークサービスを拡張、その信頼性を高めることで、完全自律型ドローンの運用を可能とし、大きな新収入源を開拓することができる。

あらゆる産業や技術を眺めてみると、近年のハードウェア面の技術革新では、飛行ロボット工学が産業に多大な影響を与える可能性が高いものの一つに数えられている。
あらゆる資本集約型産業、さらに農業やメディアなどその他の一部産業においても、革命的変革につながる可能性がある。
この技術はアクセスが容易であり、広範なメリットが得られるため、近い将来、商業利用のドローンが多数、空を飛び回ることになるだろう。
通信会社は積極的役割を担ってこの爆発的成長を誘引することのできる条件を全て満たしており、ここから得られる価値も増加していくであろう。

垂直産業における応用とソリューションサービスからの収入

前述のように、PwCの「ドローン・パワード・ソリューション」のグローバル拠点であるセンター・オブ・エクセレンスは2016年5月に世界のドローン産業に関するレポート第一号を発表している。
「Clarity from Above」と題するこのレポートでは、ドローン市場の潜在価値を合計で1,270億米ドル以上と推計している。

さまざまな産業のプレイヤーがこの価値の分け前にあずかろうと計画しているが、既存の技術力やコネクティビティを有する通信会社が有利な立ち位置にある。
こうした資産で、他業界の企業よりもずっと容易にドローンを用いたソリューションを展開できるからである。
通信業界は活況を呈する市場に早期参入し、既存の資産や技術力を活用して新たな収入を得ることができるだろう。

こうした潜在的収入源には、さまざまな業界のクライアントに専門家の運用するドローンサービスを提供する業務があり、サービスとしてクライアント保有のドローンを運用する。
飛行管理、クライアントに合わせた垂直ソリューション、パイロットや管制官、垂直産業スペシャリストなどの専門家派遣などがこれに含まれる。
こうしたビジネス機会を追求する際、通信会社が考えなければならない問いに、どこまでサービススタックをさかのぼるべきか、競争力が強い分野は何か、といったものがある。
これに答えたのち、必要とされる資産や技術のうち、何を保有しており、何が開発可能で、何を買収や提携で外部から調達しなければならないかを検討することになる。

今後に目をやると、数年以内に多数の国において「目視外飛行(BVLOS)」による運航が許可されるだろう。
BVLOS 運航にはコネクティビティが必要であるが、通信会社は各地に分散してインフラを保有しており、他業界の企業に比べ大変有利な立ち位置にある。
外部調達が必要な資産や技術を取得する場合、通信会社はドローンサービス市場の参加者を買収することもできるが、市場は現時点で未成熟であり、一から運航体制や技術を社内開発することも検討すべきであろう。

今日、ドローン・サービス・プロバイダーが直面している問題の一つに、稼働率の低さがあげられる。
通信会社は自身のインフラを有しており、社内に構築するドローン・サービス・プロバイダーはこうしたインフラに容易にアクセスできることから、急速に習熟度を上げていくこともできるだろう。

これら全ての意味するところは、通信会社がさまざまな垂直産業においてドローン関連の収入の実現を追求するのに有利な立ち位置にあるということである。
以下に、主なビジネス機会を、PwC が推定した市場価値を含めて提示する。

インフラ

PwCの分析によれば、インフラ分野の市場価値は450億米ドル以上と、ドローンを利用したソリューションの市場価値全体の三分の一以上を占めており、この分野向けの開発は最優先
事項であろう。インフラ産業向けソリューションは、エネルギー、製造、運輸インフラなどの投資モニタリング、維持補修、資産管理など、多岐にわたる。

農業

ドローンを利用したソリューションで特定可能な市場価値が2番目に大きいものは農業分野であり、PwCの推計では、潜在市場価値は324億米ドルに達する。
農業でドローン技術を利用すれば、農作物の成長期の初めから、収穫の計画立案や実際の収穫までその状況をモニターすることができる。

ドローンを利用したソリューションに先進の分析技術を加えれば、土壌の水分量や必要とされる肥料の量までモニターすることも可能となるだろう。
こうした技術は、ドローンを環境保護に用いる際にも利用できる。

運輸

ドローン市場で潜在的市場価値が3番目に大きい分野は運輸であり、130億米ドルと推定され、さまざまな物品輸送が含まれる。
ドローンを用いた小包配達という概念が近年大いに注目されているが、その他のソリューションには、血液や除細動器の緊急搬送、スペアパーツの倉庫への配達などの製造工程自動化支援などが考えられる。

セキュリティ

ドローンは、セキュリティ分野でも、企業や政府関係機関向けに空の目としてさまざまな応用例が考えられる。
ドローンソリューションの自動化が進み、やがて、完全自律型ソリューションが開発され、特定の地域を対象に効果が高いさまざまなタイプの監視・セキュリティサービスが提供されるようになるだろう。
PwCでは、セキュリティ分野でドローンソリューションの市場価値はいずれ105億米ドルに達すると考えている。

「ドローンサービス市場は近い将来、目覚ましい規模へと発展、成長を遂げると思われます。
ドローンはあらゆる国やさまざまな産業で揺籃期から実験段階へ、そして日々の業務の主要手段へと急速に成長しています。
ドローンの採用、利用が増え続けている中、データ転送やデータ保管、自律型開発など、関連サービスのビジネス機会も増加しています。
こうしたサービス全てにおいて通信会社は有利な立ち位置にあり、一部サービスでは圧倒的に有利な状況となっています。

とはいえ、米国をはじめとする多くの国において、技術の進歩に規制の枠組みが追い付いていません。
つまり、通信会社は公共政策や規制当局の意図に十分な注意を払う必要があるのです。
問題が発生しそうな場合、積極的に対策を取る必要がありますが、この問題は、往々にして過剰規制ではなく、規制の欠如に由来するのです」

– Florian Gröne, Partner at Strategy&, part of the PwC network

メディアおよびエンタテイメント

ドローン技術利用がすでに確立している産業の一つにメディアとエンタテイメントがあり、ドローンソリューション市場は88億米ドルと推定される。
ドローンは、大ヒット間違いなしの航空写真撮影のみならず、低予算のプロモーションビデオ制作にも使われている。
ドローン技術の応用で「ドローンジャーナリズム」と称するまったく新しいジャーナリズム分野も発達しつつある。

保険

次は保険業界であり、市場価値は68億米ドルと推定される。
保険業界でのドローン利用は、リスクのモニタリングや評価から損害防止、最小化まで多岐にわたっている。
保険金請求管理にドローンを用いれば、従来の手法よりも効果的なだけでなく、スタッフが危険ゾーンに立ち入る必要がなくなるため、スタッフの労働環境も大きく改善される。

鉱業

主要産業のうち、ドローンソリューションの利用で最後にあげるものは鉱業であり、潜在市場価値は43億米ドルである。
ドローンは探鉱から建設、採掘、廃鉱後のモニタリングと、炭鉱ライフサイクルのほとんどあらゆる段階で用いることができる。

通信会社のドローン戦略における成功要因と問題点

主な成功要因3点と…

PwC の分析によれば、通信業界におけるドローンを用いたソリューション採用を推進させたのは、三つの成功要因があるとしている。

1. 規制の緩和

近年、ドローンがデジタル経済の主要要素であることがますます明らかになってきている。
これに対応して、多くの国の規制当局もドローンの商業目的運航に関する規制を緩和し、同時にガイドラインやトレーニングを提供するようになってきている。
ドローンの飛行最高高度や第三者や構造物からの最小距離などに関する規制が緩和され、人口集中地域の上空を飛行することも可能となった結果、新たな使用法が考え出されるようになってきた。

とはいえ、自律飛行や目視外飛行に対する規制は残っており、これらが緩和されれば、通信業界で使える新たな利用法が開拓されるであろう。
例えば、ドローンを目視外飛行させれば、光ファイバーネットワークや電力線搬送通信など、通信会社の大規模ネットワークインフラを遠隔地からモニターすることが可能となる。

2. データ処理およびアクセス可能性の向上

どのようなデバイスからであっても、高い信頼性で即座にデータにアクセス可能かつデータ分析も可能なサービスの開発が通信会社のドローン関連事業で重要なカギとなるであろう。
例えば、ドローンを用いて遠隔地から電波塔の点検を実行中の技術者は、電波塔やその敷地で見つかった問題点を即時に知り、クラウド上で追加分析を行うことができればと考えるであろう。データ処理や情報へのアクセスに必要な時間を短縮することが、通信会社のドローン技術実装を加速させる主要手段となるであろう。

3. 迅速な技術開発

技術は日々進歩しており、ドローンや「無人自動ビークル(UAVs)」のコストも下がってきている。これにより、ドローンの利用が拡大し、利用可能なソリューションの数も増えている。
さらに、水素燃料電池などの新技術による電池容量の増加や、障害物回避システム、ソフトウェアの開発により、通信会社がドローンで実現できるサービスの範囲は今後も拡大を続けるであろう。

「世界各国でドローンソリューション市場と規制当局のドローン業界への規制アプローチは足並みが揃ってきています。
これは、当局が完璧に機能するデジタル経済におけるドローンの重要性を理解するようになってきているからです。

一部の規制は残っているものの、全体的方向性は明らかです。
今後の規制の方向性とは、すでに盛況なドローンサービス市場のさらなる発展を可能とする規制体系を作り上げることにより、消費者やあらゆる産業の企業に利益をもたらすことです」

– Mohammad Chowdhury, PwC TMT industry leader in Australia, SE Asia and New Zealand

…二つの主要な問題点

とはいえ、ドローンを利用したソリューションをインフラ企業の業務プロセスに統合するためには問題点が何点かあり、そのうち2点が特に重要である。

1. 飛行リスク

ドローン、特に自律型ドローン技術の可能性を全面的に実現するためには、ドローンとその他の航空機の衝突を防ぐ総合航空管制システムが必要である。
こうしたシステムがあれば、ドローンは障害物や他の航空機を検知、回避でき、同時に航空管制官と連絡を取ることも可能となる。
安全を維持するため、管制官は無人航空機と有人航空機双方に関するリアルタイムの情報にアクセスする必要があるだろう。

2. プライバシー

無人航空機は、通信業界に多大なメリットをもたらしたが、同時に、個人のプライバシーを尊重しつつドローンを運用する責任も生じている。
ドローン操縦者がさまざまな場所でドローンを飛行させると、大量のデータが収集されるが、中には個人の財産や行動に関して機密情報や機微にかかわる情報が含まれていることもあるだろう。

このリスクを考えると、企業のデータ保存方法、収集すべきでないデータ、個人や企業がプライバシー権を守る方法などについて、明確な国際的規則やガイドラインが必要である。
米国ではすでに「無人航空機システムのプライバシー、透明性および責任に関する自主的ベストプラクティス」が作成されているが、多くの国ではこの問題を適切に取り上げたガイドラインや規則が未制定である。
プライバシーという大変重要な問題への対応が明確になっていないことから、一部の企業はドローンを利用したソリューション採用に消極的である。

通信会社にとってジャストフィットの技術

ここまでに述べてきたように、ドローン技術の到来は通信企業に多くのメリットや収入源の可能性をもたらす。
安全性や効果が高く効率も良い通信インフラ管理・最適化から、さまざまなドローン関連のサービスやソリューションを新たな収入源とする可能性まで幅広いビジネスチャンスをもたらすドローンは、間違いなく通信会社にマッチした飛躍的技術進歩といえるだろう。

通信会社はこの機会を捉えようとしており、その多くがドローン技術の実証を完了し、一部は採用を開始している。
まだ初期段階にあるため、通信会社の目標は一般に、短期的には収支がプラスマイナスゼロを目指すといった程度のものであるが、速度や効率面ですでに相当程度のコスト削減を実現している。
ドローン関連の取り組みには引き続き投資を継続しており、これは、時とともに新たなビジネス機会や応用例が誕生し、ドローンベースの事業モデルがさらに有効性を高めるとの認識によるものである。

確かなことは、ドローン関連のビジネス機会は増加するということである。
単純にいえば、今こそ通信会社がドローン革命に加わる時である。
時機を逸すれば、今後何年も、先見性のある競合他社に追い付くべく慌てざるを得なくなるであろう。

PwCの「ドローン・パワード・ソリューション」について

「ドローン・パワード・ソリューション(DPS)」は欧州に拠点を持つグローバルPwCセンター・オブ・エクセレンスである。
このチームは、さまざまな地域や業種のクライアントがドローン技術の提供する可能性を最大限生かすことができるようにサポートを行っている。
2013年にはすでに第一号プロジェクトに取り組んでいるが、正式には2015年初頭にポーランドで設立、ドローン技術の産業・企業向け利用に特化し、プロのサービスを提供する世界初のコンサルタントチームである。

所在地にポーランドが選択されたのは偶然ではない。
ポーランドはドローンの産業利用に関する法制を早くも2013年に制定しており、世界でもこれを最初期に制定した国の一つである。

チームは設立以来、通信業界を含むさまざまな業種のクライアントとドローン技術をその業務に組み込む課題に取り組んできた。
また、機械学習とAIを用いて画像データ分析の改善に取り組んだ草分けにも数えられている。
PwC が戦略や業務の計画立案、実施に多くの経験を有していることから、チームはクライアントのハードウェア選択のみならず、完全かつ総合的な運用システム実装のサポートも行うことができる。

チームの能力には、戦略、プロセス改革、ITカスタマイズ化、視覚データ処理、分析などが含まれる。
こうしたさまざまな能力を有しているため、チームは徹底したサービスをクライアントに提供することができている。
また、包括的データセットの統合、提示、管理が可能なPwC Geospatial.Appという独自のデリバリーソフトウェアも開発しており、これを用いれば、意思決定を容易かつ瞬時に行うことができる。

チームは独自の経験、ソリューション、方法論を有しているが、これに安住することなく、クライアントがドローンの新たな現実世界で成功を収めるサポートを行うべく、常に新たなアイデアや技術の開発に努めている。



 

ドローンの飛行ルール

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